本のムシはやがて蝶になる

感性を磨き続けたいアラフィフ主婦の読書記録。好きなジャンルはアート、音楽、メンタル、生き方など。ちょっぴり繊細なHSP気質。

【読書記録】1980年前半あたりからのサブカルシーンが懐かしい『サブカルで食う』大槻ケンヂ

2012年に刊行された本なので

もう9年前の本になるんですが、

大槻ケンヂさんの『サブカルで食う』を

読んでみました。

 

f:id:yellowbooks:20210602125201j:image

アラフィフになっても、まだ
“就職せずに好きなことだけやって

生きていく方法“っていう言葉に

反応してしまう。
好きなことだけで生きていく…

ああ、永遠の憧れ。


本当に“サブカルで食べていきたい"と

思っているわけではないけど、

大槻ケンヂさんってどうやって

生きてこられたんだろう…

と興味があって読んでみました。

 

そしたら、どんどん20代の頃に

ハマっていたインディーズ音楽の世界に

タイムスリップしてしまいましたよ。

 

この本は『サブカルで食べていく』

ためのHow to 本というより、

大槻ケンヂさんの自伝のような内容でした。


期待していた内容とはちょっと違いましたが、

1980年前半あたりからの

サブカルシーンが好きだった

私にとってはサブカル界の裏話が

とても面白くて読んでみてよかったです。

 

大槻ケンヂさんが、

少年時代からなぜバンドを始め、

どうやってメジャーデビューしたのか?

について書かれている章では

インディーズブーム、ナゴムレコード、有頂天、ザ・ウィラード、ラフィンノーズ、宝島、DOLL…

と懐かしいバンド名や雑誌名が出てきて

当時を思い出してドキドキ。


サブカルチャー(当時はアングラと呼ばれていた)。

メジャーなバンドではなくて

独特の世界観を持ち、

文学や演劇の要素もあったりして

マニアックで、ちょっと社会を

外から見ているようなバンドや

アーティストが好きだったのです。


あの頃、何かを表現したいと思う

少年少女が出会う場所というのは

ライブハウスしかなかった。

だからみんな仲間と繋がるため、

友達を作るためにとりあえず

ライブハウスに通っていたんです。

今、SNSでやっていることを、

ぼくらはリアルでやる必要があった。

それはとてもいい経験値の上げ方だった

と思います。

パソコンがなくて僕らは得をした。
当時はネットやSNSなんてものもなくて、

今みたいに同じ趣味の人と簡単に知り合ったり、

情報も得られなかったけど、

雑誌を買い集めたり、同人誌を作ったり、

ライブハウスへ足を運んだりして

自分で動いて情報を集めていくことが

楽しかったです。

独自の世界を発信するパワーも凄くて

良い時代だったなぁと思う。

 

 


僕はインディーズブーム、

バンドブームというのに乗って一時期、

一挙に人気が出たのですが

『人気が出る』ということは

『ある日突然、いわれのない愛と憎しみを

一身に受けることになることです』

 

 


人気が出ることは良いことだけど、

その裏側では人間不信になってしまう

ような苦労もあったそうです。

 

で、この本のメインテーマ、

好きなことだけをやって生きていく方法とは…

何らかの表現活動を仕事にして

生きていくために必要な条件は、

才能・運・継続です。

才能と運に関しては自分では

どうしようもないことですけれど、

『継続する』ことだけは誰にでもできること。
やっぱり継続は力なり!
これは本当なんだなと思った。

 

失敗して恥をかいても、

表現者たるものはめげずに
しつこく継続していけば

どこからか声がかかるかもしれない。

そこまで続けられるくらい好きだ

ということも才能ですね。

 


あとは、映画や本や音楽など自分が好きなことを“自分学校“でどんどん追求すること。

 

 

すべては自分の血となり肉となるんですよね。
こうしないといけないという型にハマらず
自分の好きなことを追求していって、
何かしら発信し続けていけば
どこかで誰かが見てくれて、

もしかしたら何かがあるかもしれない。

 

何か表現行為をしたいと思っている人にとって

勇気を与えてくれる本でした。