本のムシはやがて蝶になる

感性を磨き続けたいアラフィフ主婦の読書記録。好きなジャンルはアート、音楽、メンタル、生き方など。ちょっぴり繊細なHSP気質。

【読書記録】『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』中野信子 著

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脳科学者の中野信子さんの本が

私たちのような一般人にもわかりやすくて、

最近よく読んでいます。

 

中野信子さんは東京大学大学院で

音楽研究で学位を取得され、

絶対音感』や音楽の構造を分析している

脳の機能部位を研究されたそうです。

 

中野信子さんもピアノを演奏されるからか、

親しみを持っています。

 

で、今回読んだ本は

『メタル脳 天才は残酷な音楽を好む』


中野信子さんはヘヴィメタル

お好きだそうで

実は私もヘヴィメタルが好きなんです。
10代の頃にヘヴィメタルサウンドを聴いて

感動してから特に若い頃はヘヴィメタル

良く聴いていました。

 

今はいろんなジャンルの音楽を聴きますが、

今でもヘヴィメタルは好き。

ヘヴィメタルの中でもいろいろあるのですが、

私はフィンランドクラシック音楽

融合させたものやオペラと融合させた

サウンドが好みです。


音の重なりが重厚で壮大なスケール感、

ゴシック建築のような荘厳な感じが好きなんです。

 

それと、愛とか恋とかを叫ぶ歌う歌が

どうもウソ臭く感じていて、

もっと人間の本性の部分、

人間のネガティブな部分に向き合う音楽が

好きなのです。

 

で、本の内容に戻りますが、

中野信子さんによると
メタルが好きな方は内向的で

自分の感情や経験に忠実。

丁寧に思考を積み重ねていき

『ここだけは譲れない』という

自分だけの基準を作りやすいタイプ。

 

内向性が高いということは、

自身の目はあまり他者へ向かないが

『自分とのコミュニケーション』は得意。


『自己とのコミュケーション』が上手な人は

知的好奇心が旺盛で

自分の心を見つめて不満や望んでいることを

見出して心の問題を解決する能力が高いそうです。

 

私はずっと内向的なのは良くないと思っていました。
子供の頃から内気だった私は

よく親から『内向的なのはダメ。

もっと外交的になりなさい』と

注意されてきたからです。

 

でも、今はそんな自分の世界を

それなりに楽しんでいるし、

中野信子さんは社会そのものがリスクである

今の時代、内向性が高いということは

社会からの影響を受けにくいということなので、

 

これからの社会を生きるうえで

強力な武器になると語っていました。

 

音楽的な話では、

クラシックとメタルは音楽性の共通点が多いこと。
・ギターソロのような超絶技巧
・楽曲の構成の美しさ
・コード進行の壮麗さ
・共通する和声

 

やっぱり音楽的にもクラシックとメタルは

共通点が多いんですね。

クラシックファンとメタルファンの特性も

よく似ていて、

どちらも『創造的』『落ち着き』があって

『内向的』なのだそうです。

 

クラシックは優等生、メタルは劣等生みたいな

イメージが特に日本では世間的にあるけど

同じなんですね。

 

中野信子さんはこの本の中で
“メタルは人類や人間の本質とはどういうものか、それについて『メタ認知』を与えてくれます。

にもかかわらずステレオタイプに大人たちが

『こんな音楽を聴いていたら駄目だ』『おかしい人間になってしまう』と言うのは、

わたしに言わせれば、大人であるにもかかわらずメタ認知ができない非常に短絡的な発想であると感じます。そしてそんな人こそがポピュリズムなどにすぐ共感してしまう社会にとって危険な存在となっていくのです。“ と語っています。

 

確かにコロナの時のトイレットペーパーの買い占めもそうだし、何も考えずに人に流されるような動きをする方が多くて怖くなる時があります。

これも『メタ認知』と関係があるみたいですね。

特に高齢になると脳の機能的にそうなるのも仕方がないみたいです。

 

最後にピアノ学習者として嬉しい内容もありました。

“楽器を演奏すること自体の効果は
以前より記憶力や認知力などが上がる“

 

“楽器演奏スキルの習得が言語習得、分析、リスニング、記憶、語彙といったすべての能力を向上させるのに効果的。“

 

“楽器の演奏を習得することで、認知機能を司るさまざまな脳内の部位が活性化し皮質の量が増えたということが明らかになる。"

 

これは子どもはもちろん、大人になってからもその傾向が見られるそうです。

 

これはピアノ練習の励みになります!