【読書記録】『手のひらのトークン』安西水丸 著
安西水丸さんのシンプルでよどみのない線、見るとすぐに水丸さんの絵だとわかる独特のタッチ。
どこか力の抜けた感じが好きでした。
先日、たまたま古書店でこの本を見つけて
『あ、あの水丸さんの本だ!』と思って読んでみたら
読みやすくておもしろい。
小説家やエッセイストとしても幅広く活躍され、
多才な方だったんだなと今さらながら知った。
この本は水丸さんの日記のような小説。
1960年年代後半、勤めていた電通を辞めて、
アメリカのNYに渡り、
アメリカの広告制作会社で働きながら
当時付き合っていた彼女を呼び寄せてNYで過ごした日々を綴っている。
ベトナム戦争とサイケデリックアートの時代のニューヨーク。
小説の中で彼女とよく映画を見に行くシーンが出てくる。
その頃流行った映画や音楽のことも知ることができて
ニューヨークに住んでいるような気分になれた。