本のムシはやがて蝶になる

感性を磨き続けたいアラフィフ主婦の読書記録。好きなジャンルはアート、音楽、メンタル、生き方など。ちょっぴり繊細なHSP気質。

【読書記録】『頭のうちどころが悪かった熊の話』安東みきえ 著

f:id:yellowbooks:20211018215622j:image

小泉今日子さんの書評を読んで出会った本。


ヘンテコなタイトルが気になり、
イラストに心を奪われてこの本を手に取った。

 

本を開いてみるとたくさんの生き物たちが登場する
7つの寓話だった。

 

“頭のうちどころが悪かった熊“は
喪失した大切な記憶と愛する妻・レディベアを取り戻す。

 

キツネを食べてしまって後悔する虎。

 

“過去のことしか考えられなくなった“お父さんベビと
“未来のことばかり考える“お母さんベビ、
そしてそのふたりの子どもベビ、その家族の絆。

 

ないものねだりをするひねくれ者のカラス

 

“たったひとりの自分の世界の王様“になった
おたまじゃくしとヤゴの友情

 

“意味という言葉の意味“を考えて悩む牡鹿

 

冬眠ができない不眠症ツキノワグマ
お月さんとお話をするお話。

 

それぞれの生き物のキャラクターや
様子が微笑ましい。
だけど、生き物世界の不条理さが鋭くて、
ちょっぴりビターな感じ。

 

読むのはすぐに読めるけど、
意味深な内容を理解するのに
時間がかかりました。

 

読む人の人生経験によって
捉え方も違ってくるんでしょうね。

 

【読書記録】『老人と海』ヘミングウェイ 著

 

 

最近、名作と言われる作品を読んでいなかったので

ちゃんと読んでみようと思いこちらを古書店で買いました。

f:id:yellowbooks:20211014213353j:image

 

【あらすじ】

キューバの老漁師・サンチャゴは長い不漁にもめげず小舟に乗りたった1人で海へ出た。
すると残りわずかな餌に見たこともないような巨大カジキマグロがかかる。
4日にわたる巨大カジキマグロとの死闘。サンチャゴは勝ったが帰途サメに襲われ、海はさらなる試練を老漁師に課す…。

ヘミングウェイの名作『老人と海』。

 


年老いてもなお大自然に立ち向かう一人の老漁師。
自然の脅威と厳しさに翻弄されながらも、決して屈することのない人間の精神と勇気を描いた作品です。

 

物語のほとんどが海の上での大魚との闘いのシーンですが、海の上でたった一人。孤独なのもあって自分自身との対話が多いです。

 

孤独な老漁師だと思いきや、老漁師を慕う一人の少年の存在があってほっとする。
老漁師の船に5歳の頃から乗り、漁師の仕事を教えてもらったという少年がサンチャゴの帰りを待っていた。

 

少年と老漁師がお互いに敬意を持って接している2人の交流シーンがじんわり温かい気持ちにさせてくれました。

 

 

 

 

【読書記録】『手のひらのトークン』安西水丸 著

f:id:yellowbooks:20211003132337j:image

 

安西水丸さんは私が20代の頃憧れていたイラストレーター。


安西水丸さんのシンプルでよどみのない線、見るとすぐに水丸さんの絵だとわかる独特のタッチ。
どこか力の抜けた感じが好きでした。

 

先日、たまたま古書店でこの本を見つけて
『あ、あの水丸さんの本だ!』と思って読んでみたら
読みやすくておもしろい。

 

小説家やエッセイストとしても幅広く活躍され、
多才な方だったんだなと今さらながら知った。

 

この本は水丸さんの日記のような小説。
1960年年代後半、勤めていた電通を辞めて、
アメリカのNYに渡り、
アメリカの広告制作会社で働きながら
当時付き合っていた彼女を呼び寄せてNYで過ごした日々を綴っている。

 

ベトナム戦争サイケデリックアートの時代のニューヨーク。
小説の中で彼女とよく映画を見に行くシーンが出てくる。


その頃流行った映画や音楽のことも知ることができて
ニューヨークに住んでいるような気分になれた。

【読書記録】『音叉』高見沢俊彦 著

f:id:yellowbooks:20210825205055j:image

 

1973年に明治学院大学のキャンパスで結成された
THE ALFEEのリーダー・高見沢さんの小説家デビュー作。

高見沢さんは音楽だけでなく、
小説家としての才能もお持ちなんですね。

自伝的なエッセイかと思いきや、
影響を受けた海外のロックがたくさん登場して、
その表現も臨場感溢れて迫力満点。
ミュージシャンの高見沢さんだからこそ書ける内容
だと思いました。
小説だけどロックも楽しめました。


ストーリーは主人公、風間雅彦が
大学の仲間と結成したバンドで
プロデビューするまでを書いた青春小説。

舞台は1970年代。
ロック喫茶で大音量で夜通しロックを楽しみ、
ロック好きの肉食系女性に迫られ
刹那的な恋にも付き合わされ…。
若いからこそできる快楽的で刹那的な生き方で、
そんな“今“を思い切り楽しむ。
でもいろいろな出来事に気持ちが揺れ動き、
停滞して引き篭もったり。


高見沢さんは高校生の頃は本の虫で
少年期の夢は小説家になることだったそう。
その夢を還暦過ぎで叶えたんですね。
これから小説家としての活動も楽しみです。

【読書記録】美容常識の9割はウソ 落合博子 著

f:id:yellowbooks:20210813101653j:image

 

私の普段のお肌のケアは
洗顔のあとに化粧水とスクワランオイル2滴を
手のひらに馴染ませてのせるだけ。

ラクなのでずっとそんな感じでしたが
アラフィフになって何か高機能化粧品を
使わなくちゃいけないのかなと
考えることがありました。

でも、そもそも肌に高機能な化粧品をつけても
その有効成分とやらは本当に肌の中に浸透するのか?
効果があるのか??

清潔に保ち保湿さえしておけばいいのではないのか?
と疑問があってこの本を手に取りました。

再生医療スペシャリスト
形成外科医長の落合博子先生が
書かれたこちらの本には
科学的エビデンスに基づいたスキンケア方法が
紹介されています。

落合博子先生の説明によると
肌ケアに必要なのは
適度な洗顔と保護膜を補うこと。

1 .よく泡立てた石鹸の泡でやさしく洗顔
2 .脂質や保護剤、クリームなどのうち1剤で保護

これだけでした。

化粧品による過剰なケアは肌本来の働きを
見失ってしまうそうです。

あと日中は1年を通して
毎日欠かさずに日焼け止めを塗ること。

これが自分でできる唯一にして最大のアンチエイジング
だそうです。

肌についての基礎知識と化粧品に関する
正しい知識も得られました。

無駄なお金を使わずに
シンプルなのが一番ですね。

【読書記録】『わたしのマトカ』片桐はいり 著

f:id:yellowbooks:20210802203355j:image

片桐はいりさんが、
映画『かもめ食堂』のロケで
1ヶ月滞在したフィンランド
そこでの体験や感じたことが綴られたエッセイです。

片桐はいりさんがこんな面白い文章を書かれるなんて!
観察力があるし、
それを表現する文章がとにかく面白くて
思わず笑ってしまった。

初めて訪れたフィンランドでのさまざまな体験を
ちょっとしたことにも気付いて感動して
面白がっている。

 

フィンランドの人々のシャイだけど
素朴で温かい人柄。
フィンランドの町の独特の余裕。
フィンランドへ行ってみたくなった。
かもめ食堂』も観てみなければ。

【読書記録】独りよがりにならないセンスの磨き方『センス入門』松浦弥太郎 著

f:id:yellowbooks:20210717092620j:image

『センス』とは
人それぞれが持っている美学のあらわれ。


仕事も暮らしもある程度のレベルまでは
どんな人でも到達できるけど
それ以上の高いレベルへ行くには
その人が身につけている
『センス』の良し悪しで左右される。

 

自分らしさを磨いた『センス』を身につけたい。
よい『センス』は良い運を引き寄せる。

 

では、
『センス』のよい人になるには
どうしたらいいのか?
そして、
『センス』のよい人と悪い人の違いは何?

 

センスのいい人は自分が実際に見たものや
体験したことをはっきりと自分の言葉で
伝えることができる。
たまたま見たり聞きかじったことではなく、
自分が経験したことだけで話すので
気持ちよく過ごせるし、信頼関係が深まる。

 

“自分のことばは何よりも伝わる"


自分のなかにある知識のストックから
選び出してことばにするのではなく、
心の引き出しから思いのままに
取り出してみせるという感じでしゃべっている。
頭と心のバランスがいい。

 

自分が気になっていることを
ぼんやり曖昧なままにしないで
きちんとことばにする。


『ことばにする』ことができることも
『センスがいい』ということのひとつ。

 

自分が感じたこと、学んだことを
言葉で伝えられるようになりたいと思う。

 

“センスとは選択する力“

 

たくさんある選択肢から
どれを選ぶかは自分の判断ですが、
それによって自分ひとりが満足するのではなくて、
たくさんの人に幸せを与えられるかどうか。
というところが
センスのいい選択の一番難しいところ。
そこがないとその選択は
自己満足で終わってしまう。

 

人を幸せにできる選択に対してなら、
みんなはお金をはらってくれる。
少なくとも経済が発生するような
センスのよい選択をしておかないと
何事も次のステップにつなげられず長続きしない。

 

松浦弥太郎さんがやっておられる
センスを磨く行動の一例を
紹介している。

 

自分の感性、美意識、教養を上げるために
文化財を見てまわる。
美術館などセンスのいい空間には
自然にセンスのいい人が集まる。

ふだんから素敵なもの、
美しいものを好奇心を持って見つけて、
よく触れて真似てみる。

 

それしかセンスのよくなる方法はない
という。


ポイントは体験をしたあと
紙に書いたり、ノートにしたり
感じたことをしっかり頭にたたき込んでこくこと。

 

お洒落な格好をしていればセンスがいいではなく、
人づきあいとか話し方とか、時間の使い方とか、
お金の使い方とか自分の生活も含めて
全部にセンスのよさが必要。
何かひとつ良くてもダメ。

 

自分で経験するというのはいちばんの情報源。
その場所へ足を運び、
実際に自分が体験しているかどうかはおおきい。

 

経験にはお金を使うべき。
自己投資。
自分の中でリターンをある程度見極めて、
自分の収入のなかでどれくらいのお金をかけるかを
決めるのも大切。

 

“セレクションする“


自分の生活に自分で投資して、
見返りとして自分が何かを得て豊かになったり
学んだりする。
自分にとってリターンがあるというものを
『選んでいく』

 

発見したり、素敵だなと思ったことを
自分のところで止めていたら
そこからは何も生まれない。


何らかの形で人にわかりやすく伝えていく。
幸せを分け与えていく。

 

そういう社会活動をすることで
たくさんの人に喜んでもらう。
こうして分け与えたものは結果的に
自分に返ってくる。

 

暮らしの中や自分の仕事の場で
自分が得たリターンを流して
動かしていかないと
そこには経済が発生しない。

 

自分で選んだことを
実際に体験をして、
体験したことを言葉でまとめ
記録したり
外に向けて発信して
人に伝える。
その情報や経験談
世の中の人たちに喜んでもらえることで
あればリターンが得られて
さらにまた新しい経験ができるんですよね。

 

メンタリストDaiGoさんも
『好きをお金に変える心理学』でも
書いておられました。

 

yellowbooks.hatenablog.com

 自分の言葉で伝えられる
アウトプット力を身につけたい。